読み物

2017/07/20 18:16

鹿児島県奄美大島の染色工房『金井工芸』にて国内産フルタンニンなめしのタンロー革を泥染めにて染色。泥と植物と言う奄美大島の大地から生まれるものを使い染色する泥染めは、1300年の歴史を持つ伝統工芸品『大島紬』の工程のなかでも、重要な役割を担っている。金井工芸はその染めに携わる工房のなかでもアパレルのアイテムも染色する異色の存在。奄美泥染めは、奈良東大寺や正倉院の献物長に『南島から褐色紬が献上された』との記録が残されています。それが奈良朝(710〜784年)の頃、約1300年ほど前になります。

そんな起源がある本場奄美大島紬は分担業で製織され、糸、絣染めを行う工程として泥染めを行います。奄美大島に自生する車輪梅から抽出するタンニン豊富な染料作りから始まります。常温に戻した車輪梅のタンニンと泥田の豊富な鉄分との化学反応により色を作ります。奄美大島の特性を活用した古代天然染色です。
その泥染めをした革にクロコの型押しをいれました。クロコの型押しも通常の型押しより強めに入れ、より立体感を出しています。オイルも含まれていますので使用していくうちに艶が増し色濃く変化していきます。
泥染めの製品は、素材本来の風合いを最大限に活かす為、必要以上の染色や色止め等を行っておらず、水濡れや摩擦等による色落ちなど、変化がおこる場合があります。革本来の不均一なシボ、しわ、濃淡などは天然素材である証明とご理解ください。